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身体で音を感じる
風井 浩志、松井淑恵、山岡晶、片寄晴弘(関西学院大学) [movie]

和太鼓は手軽に楽しめる楽器として人気を博していますが、演奏音が大きいために、一般家庭では演奏を行うことが困難です。一般家庭で和太鼓演奏を擬似的に体験する方法として、ドラムパッドを拍打した時にヘッドホンから和太鼓再生音を呈示するというシステムが考えられます。今回の研究では、このシステムにおいて、和太鼓再生音と同時に腹部へ振動刺激を呈示することによって、和太鼓再生音の評価が上昇する、ということを示しました。さらに、和太鼓再生音の評価の上昇において、拍打動作が重要であることが分かりました。これらの結果は、耳で音を聴くことだけでなく、身体で音を感じることが音の評価に影響する、ということを意味します。


音楽を聞く・音楽を聴く
松井 淑恵, 田中 里弥, 風井 浩志, 片寄 晴弘(関西学院大学)

音楽を聞くときに私たちの脳ではどのような活動が起こっているのか、を調査した研究は数多くあります。しかし、音楽を聞くとひとことで表現しても、「音楽を聞き流す」から「音楽の構造を把握しようとして聴く」まで、さまざまな聞き方のレベルが存在します。本研究では、音楽の訓練の期間による音楽の聞き方の変化が脳活動の変化として現れる、と仮説を立て、楽器の訓練期間が10年以上ある音楽家と、楽器の訓練期間が2年以下の非音楽家を対象に、音楽聴取時の脳活動を測定するfMRI実験を行いました。音楽家と非音楽家の脳活動パターンの違いから、「音楽がわかる」とは何か、について論じます。


リズムをとる
田中 里弥(関西学院大学), 津崎 実(京都市立芸術大学), 饗庭 絵里子(関西学院大学), 加藤 宏明(NICT/ATR), 片寄 晴弘(関西学院大学)

音楽は、物理的には空気の振動の変動である“音波”であり、一つ一つの音の音響的な境界は曖昧です。それを私たちの耳で聞くと、さまざまな音が連なったり重なったりしているように感じ、音楽として愉しむことができます。音楽のリズムを感じ取るためには,まずその音楽を創り出す一つ一つの音をそれぞれ検出していなければなりません。では、私たちの耳の中のどのような処理によって新たな音が検出され、それぞれの音が分離されるのでしょうか?本研究では,人間の聴覚システムの中で“新規音イベント”を検出するメカニズムを探るべく、聴覚処理シミュレーションモデルを作り、心理実験をしています。特に、音の大きさが変わらずに音の高さや音色が変わる時にどのような知覚をするのか、ご紹介します。


みんなで楽しむ
下斗米貴之(玉川大学), 饗庭 絵里子, 風井 浩志, 長田 典子(関西学院大学)

同じ体験や空間を誰かと共有するとき、同じことを一人でするよりも、楽しく感じたり、コミュニケーションを通じて新たなインスピレーションが生まれたりすることがあります。また、共有する相手によっては不快に感じることもあるでしょう。このようなヒトの「共感」による効果は、経験的に感じられることではありますが、実際に感性や思考力にどのような相互作用を与えているのかは明らかになっていません。そこで本研究は、共感による相互作用の影響について、2台のfNIRSを用いた脳機能同時計測による解明を目指します。



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